ニュースでびっくり
2009年 01月 06日
ところで、昼休みに「パテントサロン」を読んでいて目に留まった見出しが「特許、ソフトも保護対象に 大幅な法改正、特許庁検討」。あれれ?ソフトウェアはすでに保護対象になっているはずだけど???とりあえずリンクをクリックすると、さらに驚くべき記事が。
特許庁は特許法の大幅見直しに向けた検討に入る。「モノ」が対象だった特許の保護対象にソフトウエアなどの無形資産を追加。
(上記リンク先「NIKKEINET」より一部抜粋)
えぇぇ!?この最初の2文だけでも突っ込みどころ満載です。
まず、特許法は現時点ですでにソフトウェアも保護対象にしています。しかも、プログラムは「物」の発明として保護されているし。無形資産っていうけれど、方法の発明とか、物を生産する方法の発明だって無形といえば無形だし。そもそも、発明のカテゴリというのはそれによって実施行為や侵害とされる行為が異なるというだけのことで、特許法上の保護対象はあくまでも技術的思想である発明であり、すなわち無体物なわけです。知的財産権のことを、無体財産権とも言うくらいだし。
ひょっとして民法とごっちゃにしてるとか?確かに民法には「この法律において『物』とは有体物をいう」って85条に規定してあるし。でも、だからこそ、特許法という特別法でもって民法がカバーできないところをカバーしようとしてるわけで。
とりあえず特許庁のウェブサイトに行ってみたけれど、すぐに見つかるようなところにそれらしい記載は見当たらず、結局、この記事は何のことなのかよくわかりません。
でも、私が授業の課題で頭を悩ませたように、ソフトウェア関連特許にはいろいろと問題が多いのは確かです。そもそも、ソフトウェアを特許によって保護すること自体に反対だという人達もいっぱいいますしね。保護期間が長すぎるとか、侵害予防調査なんてやってられないとか。ソフトウェアを特許として保護するのに賛成な人も反対な人も大幅な改正を求めていることは確かだと思うので、やるならやっちゃってください、特許庁さん。できれば、私が大学院を修了しないうちにね。そして、当分、改正しないでください。
ここ数年、毎年どこかが改正になるのでついて行くのが大変です。なんちゃって。
by hemp-vermilion | 2009-01-06 22:35 | 知財いろいろ