中国と韓国と日本
2009年 07月 15日
最近、立て続けにヨーロッパのクライアントから「中国や韓国の調査はできるのか」といった問い合わせを受けました。同様の質問は今までも何度かありましたが、こうも立て続けになってくると、中国・韓国が重要視されるようになってきたのだと改めて感じさせられます。
さて、問題の質問。YesかNoかといえば、もちろんYesです。韓国を例にとると、まず無料のデータベースでは、韓国特許情報院KIPRISのデータベース、欧州特許庁のEspacenet等がありますし、商用データベースでもWPI、INPADOC、KoreaPat、WIPS、等々があります。そして、これらは英語や日本語での検索が可能なのです。以前は、英語版・日本語版のデータベースは、韓国語版に比べるとタイムラグ等において不利な面もありましたが、今ではそれほど大きな違いも無く使えます。
ですが、
外国人が英語でINPADOC、IPDLの英語版、PAJ、Patolis-e等を用いて検索する
のと、
日本人がPatolisで検索する
のとでは、調査の質に歴然たる違いが出るであろうことは、一目瞭然です。もし日本語のできる外国人がPatolisを使って検索するとしても、類義語・同義語・異表記等まで網羅して検索するのは、かなり難しいと言えます。
「できますか?」と聞かれれば「できますよ」と答えますが、いろいろな要因を考えればやはり、現地の調査会社に依頼するのが一番だ、ということを強調します。自分達のできる範囲を明確に示して、最後はクライアントの予算、納期、特許戦略における重要度によって判断してもらうことになります。
ところで。
このような質問が相次ぐようになった背景にはもちろん、中国・韓国が重要性を増してきたことがありますが、実のところ、ちょっと穿った見方で、「ひょっとしてヨーロッパの人は日本語も韓国語も中国語も漢字でいっぺんに検索できるなんて思っていない?」なんていう気もしてきてしまいます。
アメリカの田舎では未だに「Japan is in(toでなくて)the east of China.」だと思っている人がいるらしいとか聞きますし、学生時代ホームステイさせてもらっていた家族ですら、日本といえば「スキヤキとゲイシャ・ガール」だという認識でしたし。アメリカの新聞で韓国の民族衣装を「韓国のキモノ」と紹介されて在米韓国人が訂正を要求したなんてこともありましたし。
日本に何十年も住んでいるイギリス出身のプルーフリーダーすら、「日本も韓国も中国も同じだよ。漢字使っているし、見た目も区別つかないし」なんて言っていました。「全然違うよ!」と反論すると、「じゃあ、日本人はイギリス人とフランス人とドイツ人の区別がつくの?」と言うので「見て区別はつかないかも知れないけれど、同じラテン文字でも言語の違いは分かるし、単語の重複がたくさんあるからってイギリス人ならフランス語もできるだろうなんて思わないよ」なんて、議論(?)めいたこともしましたっけ。
ただ、違うとはいえ、ある程度意味を推し量ることができたり、発音が似ていたりするのは事実です。
韓国ドラマを字幕で観ていると、字幕翻訳が台詞に正直なのか、あるいは意訳するほど2つの言語に距離がないのか、特に熟語などは発音が似ていて、「『約束』は韓国語でこんな発音で読むのか(実際にはハングルですが)」というのが面白いように分かります。
「王」を「ワン」と発音するのは中国と同じだ、そういえば日本語でも昔は「わう」だったっけ、などという、小さな発見に面白さを見出すのがすっかり楽しくなりました。または、王妃のことを「中宮」と表したり、王太子のことを「東宮」と表したり。(←つまり、李氏朝鮮時代の宮廷ドラマを観ているわけですが(笑))
「へび(蛇)」は、音読みは「ジャ」なのに、韓国語でもそのまま「ヘビ」と発音されていたのも驚きでした。
日本語と韓国語がとても近い言語であることは知っていましたが、それがとても実感できて、ストーリーだけでない、ちょっと変わった楽しみ方ができます。
中国・韓国・日本、似て非なるこの3カ国について、この似て非なるところを、もっと世界各国にアピールしたい!と思う、今日この頃です。
さて、問題の質問。YesかNoかといえば、もちろんYesです。韓国を例にとると、まず無料のデータベースでは、韓国特許情報院KIPRISのデータベース、欧州特許庁のEspacenet等がありますし、商用データベースでもWPI、INPADOC、KoreaPat、WIPS、等々があります。そして、これらは英語や日本語での検索が可能なのです。以前は、英語版・日本語版のデータベースは、韓国語版に比べるとタイムラグ等において不利な面もありましたが、今ではそれほど大きな違いも無く使えます。
ですが、
外国人が英語でINPADOC、IPDLの英語版、PAJ、Patolis-e等を用いて検索する
のと、
日本人がPatolisで検索する
のとでは、調査の質に歴然たる違いが出るであろうことは、一目瞭然です。もし日本語のできる外国人がPatolisを使って検索するとしても、類義語・同義語・異表記等まで網羅して検索するのは、かなり難しいと言えます。
「できますか?」と聞かれれば「できますよ」と答えますが、いろいろな要因を考えればやはり、現地の調査会社に依頼するのが一番だ、ということを強調します。自分達のできる範囲を明確に示して、最後はクライアントの予算、納期、特許戦略における重要度によって判断してもらうことになります。
ところで。
このような質問が相次ぐようになった背景にはもちろん、中国・韓国が重要性を増してきたことがありますが、実のところ、ちょっと穿った見方で、「ひょっとしてヨーロッパの人は日本語も韓国語も中国語も漢字でいっぺんに検索できるなんて思っていない?」なんていう気もしてきてしまいます。
アメリカの田舎では未だに「Japan is in(toでなくて)the east of China.」だと思っている人がいるらしいとか聞きますし、学生時代ホームステイさせてもらっていた家族ですら、日本といえば「スキヤキとゲイシャ・ガール」だという認識でしたし。アメリカの新聞で韓国の民族衣装を「韓国のキモノ」と紹介されて在米韓国人が訂正を要求したなんてこともありましたし。
日本に何十年も住んでいるイギリス出身のプルーフリーダーすら、「日本も韓国も中国も同じだよ。漢字使っているし、見た目も区別つかないし」なんて言っていました。「全然違うよ!」と反論すると、「じゃあ、日本人はイギリス人とフランス人とドイツ人の区別がつくの?」と言うので「見て区別はつかないかも知れないけれど、同じラテン文字でも言語の違いは分かるし、単語の重複がたくさんあるからってイギリス人ならフランス語もできるだろうなんて思わないよ」なんて、議論(?)めいたこともしましたっけ。
ただ、違うとはいえ、ある程度意味を推し量ることができたり、発音が似ていたりするのは事実です。
韓国ドラマを字幕で観ていると、字幕翻訳が台詞に正直なのか、あるいは意訳するほど2つの言語に距離がないのか、特に熟語などは発音が似ていて、「『約束』は韓国語でこんな発音で読むのか(実際にはハングルですが)」というのが面白いように分かります。
「王」を「ワン」と発音するのは中国と同じだ、そういえば日本語でも昔は「わう」だったっけ、などという、小さな発見に面白さを見出すのがすっかり楽しくなりました。または、王妃のことを「中宮」と表したり、王太子のことを「東宮」と表したり。(←つまり、李氏朝鮮時代の宮廷ドラマを観ているわけですが(笑))
「へび(蛇)」は、音読みは「ジャ」なのに、韓国語でもそのまま「ヘビ」と発音されていたのも驚きでした。
日本語と韓国語がとても近い言語であることは知っていましたが、それがとても実感できて、ストーリーだけでない、ちょっと変わった楽しみ方ができます。
中国・韓国・日本、似て非なるこの3カ国について、この似て非なるところを、もっと世界各国にアピールしたい!と思う、今日この頃です。
by hemp-vermilion | 2009-07-15 22:02 | 好奇心