ブランドと商標

今日の商標の授業では、商標法第26条が登場しました。商26条はいわゆる「商標権の効力が及ばない範囲」についての規定です。その中で目を引いたのが1項1号:

商標法第26条
 商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部と
なっているものを含む。)には、及ばない。
1号
 自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、
芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で
表示する商標


なぜこの条文が目を引いたかというと、実は数日前に読んだブログ記事「ジル・サンダーとユニクロとオンワード」を思い出したからなのです。

人並みに自分の外観に気を配る以外に、ブランドがどうしたとかデザイナーがどうしたとかいった話題には疎い私ですが、私はこの記事を読んで、
・ ユニクロがジル・サンダーというデザイナーとコラボしたこと。
・ そのコラボしたブランドが「+J」であること。
・ ジル・サンダー氏はドイツ人女性で、かつてジル・サンダーという
 ブランド(会社)を持っていたこと。
・ そのブランドはプラダに買収され、その後さらにオンワードが
 買収したこと。
従って、ジル・サンダー氏は、服飾ブランドとしての「ジル・サンダー」を
 使えない身の上であること。

等を初めて知ったのでした。

このブログ記事の著者は、同記事の中でさらにこう書いています。

今後、ユニクロの "+J" というブランドに関連して、ジル・サンダーというデザイナーの名前はしばしば登場するだろう。ブランドとしてではなく、デザイナーの個人名なのだから、「使うな」 というわけにはいかない。これはパブリシティの強みになる。

そうです、自分のデザインした服に「ジル・サンダー」の商標を使用することはできなくても(日本で「ジル・サンダー」の商標はドイツのJIL SANDER AGが登録しています)、彼女の氏名を「普通に用いられる方法で」表示することはできるのです。敢えて注意するとすれば、同条第2項の規定でしょうか。

2項
 前項第1号の規定は、商標権の設定の登録があつた後、
不正競争の目的で、自己の肖像又は自己の氏名若しくは
名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくは
これらの著名な略称を用いた場合は、適用しない。


何ともタイムリーな講義でありました。

ところで今日の授業は、レポート課題の提出期限でもありました。日本を代表する著名なブランド(商標ではない)を挙げて、それについて論述するのですが、まず取り上げるブランドを選ぶ所でかなり迷いました。一番最初にパッと思い浮かんだのはやはり「ホンダ」や「トヨタ」や「ソニー」など。でも壮大すぎて上手く纏められそうもないように思えたので、もっと身近なブランドを…日本を代表するのだから、海外でも知られているような…と思案したところが、出てきたものは「コシヒカリ」「松坂牛」「佐藤錦」等々…あ、だめだこりゃ。。。

そして最後に、私が熱を入れて書けるものを、と選んだのが真珠の「ミキモト」でした。これなら調べ物が苦にならない!むしろ、どんどん調べたい!「ミキモト」といえば知財分野では御木本幸吉氏が真珠の養殖方法を発明して特許を取得したことなどが真っ先に思い出されますが、色々と調べてみるうちに、
・ 周辺技術まで特許を取得し、海外でも特許を取得し、
  (→技術の確立と独占)
・ 養殖成功直後から海外市場へ乗り出し、博覧会に出品し、
  (→世界的な知名度の上昇)
・ 粗悪な真珠を焼くまでして品質を守り通した。
  (→信用の維持)
といったようなことが分かって、当時は「知財戦略」「企業ブランド戦略」みたいな言葉は無かっただろうけれど、御木本氏がやってきたことはまさしくこれなのだ、と思いました。

さてさて、課題提出が終わったら次は、とうとうテーマの決まった修論に着手です!それにもうすぐ期末試験も迫っています。あぁもう、最近本当に余裕がありません。目の前には壁がたくさん立ちはだかっているけれど、越えるべき壁もなくて進むべき方向が見えなかったことに比べれば、なんの!突進あるのみです。気合い入れるぞー!
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by hemp-vermilion | 2009-10-07 23:39 | 大学院・知財

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