2017年の「弁理士の日」企画

もはや開店休業状態の本ブログ、ほぼ年に一度、「弁理士の日」企画にしか更新せず、しかも昨年はそれすら更新できなかった(多忙のため)、という情けなさ。

更新ができないのにはいくつか理由があって、まずネタがない。

正確には、ネタは「無い」わけではないのですが、本ブログを始めたころはクライアントの9割超が外国の企業やファームということもあり、実務上での気づきや面白さを共有しやすかったのですが、最近では念願かなって(?)ご指名でお仕事を頂戴することが多くなり、そうなると検索やスクリーニングで面白い気づきがあっても、ネタにしにくい。。。

次に、時間がない。ブログの更新を怠っているあいだに実は、勤務先の会社がなくなりかけたり二人目の子供が生まれたり転職したり転職したりいつの間にか娘が小学校の上級生になっていたり、もうとにかく時間がない。たまに「これについて書こう!」と思っても、ネタを揃えて下書きまでは書くものの、完了できない。

これは家庭内のIT環境にも理由があって、「リビングに端末を置くとどうしても家族の会話が減るから」と、リビングにノートPCを置くのを止めたため、ちょっとしたブログ記事を書いてアップするだけのことにも、書斎として使っている寝室のデスクトップをわざわざ立ち上げないといけない。

そんななかでも、毎年かならず忘れず弁理士の日企画には声をかけてくださるドクガクさんには感謝、感謝です。

さて、今年のテーマは「知財業界の職業病」とのこと。

サーチャーの職業病といえば、もちろんアレですよ、CMや広告で「特許製法!」だの「特許取得」だのを見かけると、ついつい検索して特定してみたくなってしまう。広告によっては具体的な特許番号や出願番号が記載してあるものもあるので、番号照会で公報を特定し、明細書を読み込み、
「フーン、こんなもんか…」
「へぇ、こういうふうになっているのね」
と自己満足する。
特許サーチャーのみなさん、やりますよね!?

肉体的な職業病というなら、もちろん「目・肩・腰」です。ほぼ一日じゅうPCの前に座りっぱなし、モニタを見つめっぱなし。そりゃ目も疲れるし肩も凝るし腰も痛くなります。

しかーし!最近それに、新たに加わったものがあります、それは「腱鞘炎」。

先行技術調査や侵害予防調査でスクリーニングをする場合はそうでもありませんが、分析(動向調査)で公報を読み込んでいく場合は、マウスをクリックする回数が半端でなく多い!マウス操作は右手と左手を交互に使ってみたり、手首にクッションを当ててみたり、なるべくマウスでなくキーボードのショートカットを使ったりと、工夫をこらしながら乗り切っておりますが、かなり…つらい…

腱鞘炎は2人目を出産した直後にもなり、産後になりやすいと聞いてはいましたが、仕事でなるとは。それでも周囲で同じような仕事をしている人たちに聞いてみても、「腱鞘炎なるなる!」という反応は無くて、これは職業病ではないのかも!?

皆様は、いかがでしょうか。



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# by hemp-vermilion | 2017-07-01 22:36 | 知財いろいろ

アラフォーというお年頃

実は、2週間ほど前から、断続的な胃痛を味わっている私。胃痛に加えて頭痛や肩こり痛にも襲われ、これはもとから頭痛持ちだし凝り症でもあるけれど、同時に襲われるとじっとしていることもできない苦しさなのと、胃腸薬を飲めばいいのか鎮痛剤を飲めばいいのかわからないのとで、医者にかかりました。

病名なんかはつかないけれど、先生のお見立ては要するに「自律神経失調」とのことでした。肩こりや頭痛と胃痛がセットなのは、良くないことらしい。頭痛はもともとのものだから、と思っていてはいけなかったのね。胃痛は神経性ということらしくて、

…ウソでしょ!?
って、思いました。体力がなくても胃腸だけは丈夫というのが私の数少ない取り柄だったのに…今までどんなにプレッシャーのかかる場面に遭遇しても胃が痛くなったことなんてなかったのに。

「仕事たいへん?」
「いえ、今はやることがないくらいヒマで…先月は猛烈に忙しくて、残業50時間を超えてましたけど」
「あとになって出てくるんですよ、その疲れが」
「そうですか…確かに何もしてないのに疲労感というか、体が重いんですけど」
「まあとにかくゆっくり休んで、寝て、寝て、好きなことをすることです」

いや私、仕事は嫌いでは…むしろ好きというか。それに仕事は多くて残業は(時短社員とは思えないほどに)凄まじかったけれど、納期とか責任とかのプレッシャーが普段より大きいってことはなかったし、仕事のことを考えると、っていうよりは単に食後に胃痛になることが最近多いってだけなんで

「無理のきかないお年頃なんです」

ファッッ!!!??

「ね。顔が疲れてますよ」

…。
……。

神経性胃炎というのは、なんとなーく、「ああ仕事のこと考えると…キリキリ」というかんじのものだと思っていたのですが、そうではないのですね…
そして先生、これは私が人並みに繊細な神経を持ち合わせているということではなくて、「お年頃」なのだと…そうおっしゃるわけなのですね…

もうすぐ産業医による職場のストレスチェック制度が始まりますが、従業員数50名未満の我が職場では導入される見込みもなく。自分の心身の健康は自分で守らねば。いくら好きな仕事でも働き過ぎは禁物。体力を過信していたわけではないけれど、それよりも更に低めに見積もっておかなきゃダメなのね。

なんてったって「お年頃」なのであるから。
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# by hemp-vermilion | 2015-11-17 23:38 | ワークライフバランス

発行されるはずではなかった公報たち

今年もはや半年が過ぎ、「弁理士の日」がやってまいりました。ここ数年の例となっているドクガクさんの企画、今年のお題は「知財業界のトリビア」とのこと。

はて、トリビアですか…知財業界に入って15年目とはいえ、
「ねぇ、知ってる~?実はね…」
とドヤ顔でご披露できるような知識なんて持ち合わせていないのですけれど。
しかも、データベース検索でも特許調査でもなく「知財業界」のトリビアなんて。

と、お誘いをくださったドクガクさんに弱音を吐いたところ、いくつかヒントをくださいまして、それを基に頭をひねり、ギリギリ当日になってからこのような題に決めました。

何年か前に当ブログでご紹介したように、何故か公報が2度発行されてしまったというような、何らかの手違いから発行されるはずではなかった公報が発行されてしまう、ということが、現実にはあります。

真っ先に思い浮かんだのは、もう10年は昔になるかと思いますが、PCTの国内移行ウォッチをしていた案件で、「国内移行していないのに公表公報が発行された」というものでした。国内移行をしていなかったのか、翻訳文を提出していなかったのか、具体的なところは忘れてしまったのですが、とにかくその時に「公表公報が発行されたからといって国内移行したとは限らない」と学んだことは覚えています。

で、その案件を特定してご紹介しようかな、などと思いいくつかの検索式を実行してみました(昼休みに…)

「公表日」が「2015年7月1日以前」、且つ
「審査最終処分」が「翻訳文未提出による取下(PCT)」のもの、
という条件でヒットしたのは6件。

これらを眺めてみると、ほとんどが国内移行手続きまたは翻訳文提出の期限を徒過してしまったもののようで、あるものは上申書を提出し、却下理由通知書に対しては弁明書を提出し、あるものは行政不服申立を行い、などするも、あえなく「手続却下の処分」となっております。

期限を徒過していても翻訳文が提出されれば公表公報は発行されるもののようです。審査記録に「翻訳文提出書」の記載がなくても公表公報が発行されているのは、上申書とともに提出された「物件提出書」が翻訳文なのであろうと思われます。数日程度の遅れでなく大幅な期限徒過ではどうなるのか、といったところまで検証してはいませんが(何しろ本日の昼休みに大急ぎで検索してみたものですから)、それもちょっと気になります。

面白く思ったのは、こういったケースでも、却下理由通知の前に出願番号特定通知書が特許庁から送付されていることです。提出された国内書面や翻訳文が期限徒過していても、その時点では却下しないようなのです。何か、特許法上で規定する条文があるのかしら。

それと、よく理解できなかったのが、この6件に含まれていた「特公昭55-500110」です。
【出願番号】特願昭54-500332 昭和54年02月08日
【公表番号】特公表昭55-500110 昭和55年02月28日
【再公表番号】特再公表WO79-00716 昭和54年10月04日
【審査最終処分】翻訳文未提出による取下(PCT) 昭和55年04月14日
【審査記録】
特許願/実用新案登録願 (A63) 昭和54年02月08日
手続補正指令書(出 願) (A111) 昭和54年12月07日
手続補正書(方式) (A51) 昭和54年12月11日
未審査請求包袋抽出表作成 (A300) 昭和61年04月03日

審査記録には記載がないものの、公報のフロントページには翻訳文提出日が昭和54年11月5日である旨の記載があり、優先権主張国が英国であることを考えると、日本語公報が発行されているからには何らかの形で翻訳文の提出はあったのだろうと思われます。このくらい古い出願になると、整理標準化データに誤りがあるとしても包袋も廃棄されていて、正しい情報が何なのかは突き止められませんね。

まさか、優先権主張国は英国だけど、PCT発行言語は日本語だったとか?それなら、何故か「再公表公報」としてWO公報番号が記載されているのも納得です。esp@cenetなら調べられるかしら。とにかく不思議な案件です。

審査最終処分といえば、審査最終処分が「拒絶」であるのに登録公報が発行されている、というものもあります。

「特願平3-233106」は、登録査定されてその月のうちに登録料を納付し、登録公報も発行されたのに、その発行からひと月も経たないうちに特許庁から「誤送通知」が出され拒絶査定がされた、という、天国から地獄のようなケースです。

「特許/登録」以外の審査最終処分でありながら登録公報が発行されているのは82件。この中には特許庁の
「あ、登録って言ったけど、ちょっと待って、違うかも!」
という案件ばかりではなく、登録査定後や登録料納付後に出願を取下げたり放棄したりしているものも含まれています。

ちなみに、審査記録に審査中間記録コード「A26」すなわち「誤送通知」の記録があるのは11701件。…誰にでも間違いはある。日本国のお役人にだって、ある。にんげんだもの。

…以上、発行されるはずでなかったのに発行されてしまった公報たち、の一部をご紹介してみました。

「それのどこがトリビアなんじゃー!」という声が聞こえてきそうですが、「へぇ~」と思ってくださる方がいらしたら、嬉しく存じます。

あ、結局、はるか昔にウォッチしていた案件は、どれだったんでしょうね…?
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# by hemp-vermilion | 2015-07-01 20:48 | 知財いろいろ

前髪の教え

昨日、美容院に行って、こめかみに生えているうぶ毛のような髪にだけかるいストレートパーマをかけてもらいました。

わたしの髪は全体的にひどい癖っ毛で、長くしていた時は定期的に根本にストレートパーマをあてていたのが、4月にバッサリ切った時は
「今ストレートあてちゃうと、これからまた伸ばしていく途中で中途半端な長さになったとき、パーマをかけたくてもかかりにくくなってしまうから」
という美容師さんの言を容れてなにもせず、つまり半年以上パーマをかけずにいたのです。

そのまま我慢するはずだったのですが、前髪を含む顔周りの毛は殊に癖が強く、ただでさえ慌ただしい朝の時間帯に整えるのは毎朝非常に苦労するので、「こんなちょっぴりの毛にしかかけないのに通常のパーマ料金を払うのか…」という抵抗感をねじ伏せて施術してもらったのです。

髪質というのは「無い物ねだり」の最たるもののようで、根本が勝手に立ち上がってしまう前髪を、私自身は「額に下ろして流すいうスタイルができない」と嘆くのですが、「アイロンで巻いても逆毛を立てても寝てしまう」という猫っ毛の美容師さんは非常に羨ましがってみせました。

「だから私、オデコを出すのは諦めたんです。今まで一度も出すスタイルにしたことがないんですよ。お客様はオデコを出すのがお似合いですから、癖をいかして前髪にはパーマを当てずにおくのがいいと思います。」

それを聞いて思い出しました、子供の頃、母に言われた言葉を。

「美人の顔が髪で半分隠れてるのはいいけど、不美人がそれをやるとダメよ。不細工がますます不細工に見えちゃう。隠したくなるような顔だと思っても、そういう顔ほど、どんどん出したほうがいいんだからね。アンタはオデコ全開にしときなさい。」

母の持論というのは
「コンプレックスを隠そうとすると自分に自信が持てずにウジウジと後ろ向きになり、性格まで不美人になる。少々の不細工でも他人からの評価など気にせずありのままの自分を受け入れてのびのび振る舞えれば、元が不美人でも魅力的になりうる。今からオデコ全開にしていれば大人になってもオデコを出せるが、子供の頃から隠していると大人になってからオデコ全開にするのは敷居が高くなりすぎる。だから今のうちからオデコを出すようにしろ。」
というもので、それをそばで聞いていた祖母までが
「そうよ、そのとおりよ。オデコは出していたほうがいいよ。オデコを出しているだけで知的に見えたりするんだからね。」
と賛同したのです。

そのせいで、髪を伸ばし始めた小学校高学年の頃から後ろは解き流していても前髪だけはパッチン留めか、チャームのついたゴムで「ちょんまげ」にするか、あるいはヘアバンドなど使ってオデコ全開にするようになり、気づけばいつの間にか何もしなくても前髪は真下に下がらないようになっており、今ではオデコを隠したくても隠せないようになっているのです。

今にして思い返すと、子供の頃から親だけでなく祖母にまでこうもあからさまに
「アンタは不美人だ」
と面と向かって宣言された挙句、ご親切にも将来のための対策まで伝授されるというお節介を焼かれていたわけで、けっこうひどい仕打ちだったと思うのだけれど、当時の私は
「ふぅん、そんなもんか」
と思うだけで、特に傷ついたということもなく、ほとんど他人ごとのように聞いていました。

「前髪の教え」が功を奏したのかどうか、こんな顔立ちでもコンプレックスに苛まれるということもなく娘時代を過ごし、少々気に入らない部分はあっても概ね満足して、お化粧の技術も磨かれぬまま今に至っています。

ワンレングスにした長い前髪をかきあげる、そんな仕草に憧れた時期もあったっけ。。。
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# by hemp-vermilion | 2015-06-08 23:29 | わたくしごと(?)

再公表公報が発行されないワケ


今年の8月から1件も発行されていない再公表公報。5ヶ月間も発行が停止しているうえに、12月19日付で更新された特許庁の「公報発行予定表」によると来年の2月まで発行予定が白紙です。

なんといっても再公表公報は法律に基づいて発行される公報でない(「再公表公報って何者!?」をご参照ください)だけに、「特許庁に発行する義務はないもんね」なんていう扱いを受けているのかしら、そうだとしても何かしらアナウンスがあるべきだとは思うけれど、…何か事情があるのかしら?

で、特許庁に電凸してみました。

庁の方はまず
「再公表公報は法律に基づいて発行される公報ではないことをご理解ください」
とおっしゃっり、次に
「現在公報は媒体で発行しているのですが、(DVDですね)1回の発行には容量の制限があるので、再公表公報を発行できる余裕がないのです」
と説明してくださいました。

その後の会話で確認したところによれば、

  • 公報発行については1回あたりデータ容量に制限がある。
  • 再公表公報はもともと、公開公報など『発行が法で義務付けられている公報』を発行して「容量が余っているときだけ、その空き容量分を順次発行している。
  • 最近は公報のデータ容量が大きくなっており、再公表公報を発行する余裕がない。

とのことだそうです。

そうか、よく考えたら、公開公報が毎週木曜日に加えて月イチで月曜日にも発行されるようになったのは、「1回の発行には容量制限がある」からだったんですね。公開公報でさえ発行回数を増やして対応しなければならないほどの状況で、どうして再公表公報なんかに容量が割けるか、ってことなのね。

この様子じゃ、当分は発行されそうにないなぁ…いやまて、来年度からは媒体発行をやめるのだから、容量制限はなくなる!?
庁の方「いえ、確かに4月からはインターネット発行にはなるんですが、容量制限は
あるんです」


あるんですね…。

じゃ、同じく法律に基づく発行でない「公開前に登録公報が発行されている出願の公開」は?
庁の方「それは大丈夫です。他の普通の公開公報と同じように公開されてます」

あーよかった!

もともと再公表公報はタイムラグも大きくて特に侵害予防調査の時などは気を使う公報だったけれど、こんな事情であればさらにタイムラグが大きくなりそうですね。
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# by hemp-vermilion | 2014-12-22 20:51 | 知財いろいろ