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医薬品と特許の問題

豚インフルエンザ関連で、韓国の特許に関するニュースを見つけました:
豚インフル治療薬、政府が「特許なし生産」許可か

一部を引用すると、
豚インフルエンザの急速拡散で抗ウイルス薬が円滑に供給されない場合には、政府が多国籍製薬会社の特許を無力化し国内で直接生産する可能性もある。
とのこと。この「無力化」というのは、
市民団体から特許権の強制実施に向けた法改正要があり、関連法規を検討したところ、特許庁長が強制実施権を発動すれば直ちに国内生産に入れるという結論が出たと説明した。その場合は、国内販売額の3%を特許権者の製薬会社に支払えばいいという。
ということらしい。(青字部分を上記リンク先記事より引用)

つまり、我が国特許法第93条の「公共の利益のための通常実施権の設定の裁定」に似たような制度なのですね。きっと。

韓国特許法については、ずっと昔に上司から「日本の特許法を踏襲しているからだいたい同じと思っていい」「最近は独自の改正を重ねて日本よりユーザー・フレンドリーな制度になりつつある」と聞いたことがあるだけで殆ど知識が無いのですが、日本ではまず実施許諾について協議を求めて(93条1項)、協議不成立の場合は経済産業大臣に裁定を請求し(同条2項)、裁定において実施権設定の範囲と対価等を定める(準86条2項)、ということになろうと思います。記事を読む限りでは、韓国の場合は、ライセンス料が一律国内販売額の3%と決められているのでしょうか。興味があります。

それにしても、医薬品の場合、特許の問題とともに、いや特許の問題以上にクリアしなければならないのが厚生労働省による承認の問題です。前回ご紹介した特許も、査定がどうなろうがライセンスをどうしようが、製造販売承認が取得できなければ期待されている実施はできません。すでに承認を受けている医薬ならば、特許の問題さえクリアすれば即、増産できるかもしれませんが、これから承認を受けるというのでは、とても即実施とはいきません。だからこそ、登録期間延長制度(67条の2等)があるわけですし。特許の早期審査みたいな制度が、医薬品の承認にもあるのかしら?

等々、気になることがまた色々と出てきて調べてみたいのですが、調べたいのはヤマヤマなのですが…今週の土曜日は意匠法の小テスト(私の理解では実質的に中間テスト)があるため、そちらの勉強に時間を割かねばならず、調べることは無理そうです(悲)。

去年、この科目をとった同期生からいろいろ話を聞かせてもらったので、これから一生懸命おさらいです!話を聞けて、ほんとうに助かりました。何故って、私がなんにもわかっていないということが分かったからです。すすめられた意匠法コンメンタールがなぜか学校の図書室に無い(!!)ので、本屋さんに行かなくちゃ。。。

昨年も、試験前日は仕事を休むことにしていたのですが、今は多忙で有休もとれません。とにかく、やれるだけのことはやるぞ!

by hemp-vermilion | 2009-04-30 21:12 | 知財いろいろ

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