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○○と××の間に

今朝、通勤の時、あろうことか、電車とホームの隙間に落ちました。人の群れの最後に電車に乗り込もうとしたところが、足が空を踏んだのです。…

気が付くと私は胸までスッポリと隙間にはまり込み、無意識に突き出したであろう両肘で辛うじて車両の床に文字通り「ひっかかって」おりました。意外と入ってしまうのですね、太ももくらいで「つっかえる」と思っていましたが(だってスカートもデニムパンツも太ももでつっかえますし)。恐らく一瞬のことだったでしょうが、この状態からどう抜け出したらよいか分からない時間が過ぎた後、車内の人たちが何人かで引っ張り上げてくれたおかげで、私はドアに挟まれることもなく、電車に引きずられることもなく(考えるだに恐ろしい)、無事に電車に乗り込むことができました。

しかし、脚が非常に痛んで立ち上がることができず、結果として私を引き上げてくれた方々の腕にもたれて次の駅で降り、駅員さんが呼ばれてきました。

救急車が到着する頃には気分も少し落ち着き、脚を引きずって歩けるようにもなっていましたが、駅員さんの「万一、骨に異常などあるといけませんから」との強いすすめによって、救急で病院に運ばれることとなりました。

救急車に乗るのはこれで2度目です。1度目は高校入学直後、自転車通学の途中でバイクに轢逃げされた時です。あの時のことは頭も打っていてよく覚えていませんが、今日はパッチリと目を開いて「救急車の中ってこんななんだ…」と思いながら乗りました。

結果として怪我は大したこと無く、レントゲン写真を見た先生は「骨にも異常なし!丈夫な骨です!」とのことで(骨太ってことかしら?)、午後からは出社し、夕方からは大学院へも行って、普通に過ごしました。

駅でも、救急車でも、病院でも、「落ちた」ときの状況について質問されたのですが、
「押されたとか、突き飛ばされたとか、事件性はありませんね?」
ありませんと答えると、
「貧血でふらっとして足を踏み外したとか?」
特にそういうわけではないと答えると
「じゃあ何で落ちたんですか?」
そんなの、私にだってわかりません!
足を踏み外すのに理由なんているんですか!?
(そこに隙間があるから、って言えばよかった)
自分がとても粗忽者に思えて、非常に悲しくなりました。

そして、「どこが痛みますか?」と訊ねられて、
「左脚の、このあたりが…」
と大腿をさすると、
「あ、ここも打ってますね?」
と、左ひざ付近にある、青アザなんて呼べないほどに気持ち悪く変色したアザを指さされ、
「いえ、それは1週間くらい前にできたアザで…」
正確には1週間前にできたのは「たんこぶ」で、3日前ほどになってようやく「アザ」に変わってきたものなのですが、もう自分がしょっちゅうぶつけてはアザを作っているような不注意な人間に思われてきて、ますますもってヘコみました。

さらに…これを会社に報告しなければならなかったこと。

私の職場は新橋駅から徒歩15分もかからずに着けるところなのに、そして実際、新橋から徒歩で通勤している同僚も何人かいるのに、私は新橋からたったひと駅だけ地下鉄に乗って最寄り駅の虎ノ門から歩いています。

今から9年前の5月、新卒で入社したてホヤホヤだった私は、朝の通勤で新橋で降りるはずの電車を終点の東京駅まで寝過ごしたことがありました。後から考えてみれば、到着したホームの向かい側からすぐに折り返しの電車が出るので、それに乗ればよかったのですが、慌ててしまった私は山手線に乗り換えるべく、ホームの階段を降りたのです。その時、後ろから階段を駆け下りてきた人にぶつかられ、その結果残り5段くらいを転げ落ちました。

気が付いたときには私は階段の下にペッタリと座り込んでいて、向こうの方から駅員さんが車椅子を押してくるのが目に入り、「あぁきっとあれは私のために来るんだ」と思って慌てて立ち上がろうとしたときには駅員さんに止められて「これで救護室まで行きましょう」と…

その時も大したことは無く、救護室で湿布を貼ってもらい、伝染したストッキングを履き替えて1時間ほど遅刻しただけで普通に出勤したのでしたが、会社が心配したことといったらありませんでした。22歳になったばかりの、社会人になったばかりの、1時間半以上かけて通勤してくる女子社員が…と、恐らく皆が思ったであろうことは想像がつきましたが、入社早々の事件だっただけに「よく転ぶ子」という印象がこびりついてしまい、試用期間が終わって通勤定期を更新するとき、「新橋から『ひと駅ウォーク』して通いたいんですが」と希望を出した私に総務の担当が言ったことには、

「また何かあるといけないから。なるべく会社の近くまで公共の交通機関で来てね。そうすれば何かあっても労災で対応できたりするんだから。新橋までだと、歩いている時間が多くなるからね。交通費は会社が出すんだから、虎ノ門まで乗ってきて下さい。」
とまぁ、歩いた分だけ事故に遭うかのような口ぶりで…

以来勤続10年目の今日まで、コイツは「そういう」ヤツだ、という位置付けになってしまっているところへもってきて、今回のこの事件は、「そろそろ信用を回復してくれてもいいよね。会社だって交通費削減できるんだし」と思っていた私にとって、かなりの打撃なのでありました。あぁもう…(泣)。実際の怪我より何より、この事実が痛くて泣けてきます。

でも、意外といたんですね、電車とホームの隙間に落ちたことがある人。職場でも学校でも、「あ、私も落ちたことあります!」という人が1人ずついました。私だけじゃなかったんだ、私が特別にぼーっと歩いているわけじゃ…

とにかく、電車とホームの隙間はとても危険です。気をつけましょう!!!

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おまけ
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駅には私の連絡先として自宅の電話番号を伝えてきたのですが、ダンナ様によれば午後7時半頃に、わざわざ心配のお電話を下さったのだそうです。

「JRから、『お父様ですか?お嬢様のお加減どう?』っていう電話あったよ」
「・・・なんて答えたの?」
「夫です、って」
「そしたら?」
「失礼しましたと」
「・・・で?わたしの具合については?」
「あなたから聞いているとおり答えたけど。何かあったら連絡して、だって」
「ありがとう」

「身分証明書」って言われて、社員証でなく(注:そんなものはそもそもない)大学院の学生証を出したから…ですよね、きっと。

by hemp-vermilion | 2009-10-22 22:11 | 日常

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