特許検索競技大会2010の成績


先日、自宅の郵便受けを開けてみると、今年の8月下旬に行われた特許検索競技大会の結果が届いているのに気がつきました。

…正直なところ、大会から3ヶ月以上が経過しているのと成績には全く期待していなかったのとで、大会のことはすでにすっかり忘れ果てており、封筒を見て「これは何だろう?」開封してみて「あぁ、あれか!」と、やっと記憶がよみがえってきました。8月下旬から9月半ばにかけては自身の転職や大阪旅行のこと等で忙しく、大会のことについてはtwitterで多少感想をつぶやいた以外、このblogでも書いておりませんでした。せっかくの機会ですので、思い出した範囲で感想を書いてみようと思います。

思い出すままに、感想として書きますので、来年の参加を検討されている方の参考になるようなモノではありません、念のため。

◆データベースが…重い!
東京・大阪あわせて169名の参加者だったそうで、それだけの人数が一斉にアクセスすれば当然…といえば当然かもしれませんが、とにかくデータベースが重すぎて、話にならないほどでした。

当日使用するデータベースは2種類をあらかじめ大会参加申込時に選択しておきます。私は、当blogでもよく言及している、自身の一番使い慣れたデータベース2つを選択していましたが、実際には当日はその場のモロモロの判断で、そのうちの1つを最初の検索から精読までずっと用いました。

ところが、これが…

やたらと重く、なかなか繋がらず、検索結果もなかなか表示されず、精読も「次公報」をクリックしてから表示されるまでが異常に長く、時にはそのまま真っ白なページが表示されてしまい、あるいはブラウザが固まってしまい、と、散々。。。

恐らくたくさんの人がこのデータベースを選択したのだろうな、それほどシェアの高い、業界で広く受け入れられているデータベースなんだろうな、とは思うものの、これじゃ全然思い通りの検索・精読ができない!

検索競技大会は5時間と時間が限られており、その時間内で目的の公報さえ見つければよいというものではなく、報告書には
・ どうしてそのような式を立てたのか、
・ どうしてその公報を抽出したのか、
等々も記載せねばならず、報告書作成のための時間も見積もっておかなければなりません。予備検索、下調べにはこれくらい、精読にはこれくらい、報告書作成にこれくらい、と大まかな時間配分を行い、「とすると時間内に読める件数はこれくらいだから、その件数をメドに集合を絞り込もう」と考えてベストな集合を作っても、あー全然捗らない、とガッカリしたりイライラしたり…もっと絞り込もうか、1件あたりにかける精読時間を削ろうかと悩み、あれやこれやで必死になってデータベースを操作したのでした。

結果、予定していた件数は全て読み終えられず、報告書も、当初の予定より明らかに「手抜き」になり、…最後にはすっかりガッカリした気持ちになってしまったのでした。

◆報告書の書き方が…
上述したとおり、報告書には検索式や抽出公報だけでなく検索ストラテジをけっこう詳細に記載しなければならないのですが、これが私にとっては相当に「何を書いたらいいか分からない」シロモノだったのですね…

いや、念のため書きますが、いくら何でも普段からストラテジくらいは考えて検索式も立て、報告書の形式にも工夫をしていますが、今回の出題のように極めてシンプルな先行技術の収集調査は検索の王道そのものというか、取り立てて「この調査主題はホゲホゲなのでピヨピヨという戦略で臨みました!」と書くほどのものは何も無かった…

特許分類もキーワードも、「コレコレでは漏れるしコレコレではノイズが多くなりそうなのでこの式となりました!」なんてそんなフツーすぎてどう書いていいか分からないというか、そんなフツーのこと書かないというか(普段の調査業務では面談で、つまり口頭で説明したりすることが多い)、…検索ストラテジなんて、検索式をみればサーチャーが何を探そうとしたか分かるものなんですよ、「ははぁ、このサーチャーはどういうものを探そうととしたのかな、ってことはこの調査のポイントをこういうふうに捉えたんだな」って。

これが例えば無効化資料調査なら、無効化したい特許の審査履歴がコレコレだから、今回の調査範囲はこのようにしました、とか、請求項の構成要素のうちコレコレにフォーカスしました、とか、だから分類とキーワードはこのようにいたしました、とか、説明することはあるわけですけれども、なにぶんこのような収集調査は他の特許調査に比べて経験が少ないので、本当に何を書いて良いのか分からなかったのです。

◆というわけで…
検索ストラテジは配点が40点と高く、ここが全くといっていいほどダメダメだった私は、検索大会が終了する前から「この成績はガタガタだな…」と思っていましたし、さらに時間に押されたり予定件数を精読できなかったり、もう高得点を期待する気持ちなど微塵もなくなってしまったのでした。ましてや来年こそ頑張るぞ!という気持ちなど全く湧いてこず。

それでも届いた成績表をみると、169人中上位10位から19位の範囲内という、予想よりは遙かに良い成績が記載されていたのでした。ほぇ~、何がダメだったのかはたくさん心当たりがあるけれど、何が良くてこの評価になったのかは全然心当たりがないぞ(汗)。

まぁ、成績表といっても、全体の得点分布とその中の自分の位置しか分からないし、詳しい添削が返ってくるわけでもなく(詳しいフィードバックが欲しい人はフィードバックセミナーに参加してね、ということなのでしょう)、こんなものかな、うん。

◆収穫と反省点
この大会に参加して一番大きかった収穫は、大会終了後のプチ打ち上げで意見交換ができたこと。通常の調査業務では、同じテーマの調査について複数のサーチャーが全く独自に取り組むということがないため、とても新鮮に感じました。検索ストラテジについても、私は全く書けなかったのに、「こういうことを書いたよ」「ナニソレを書けば良かったんじゃない?」という意見も聞くことができました。なるほど私、ちょっと頭が固すぎたというか、最後まで「普段の業務」から離れられなかったのですね。

でも現実にはお客様の数だけ、調査の数だけ、クライアントからの要望はあるわけですし、常に如何なるご要望にも確実に答えられるサーチャーになるには、まだまだ修行が足りないということを感じました。

それに、検索ストラテジについても、自分が当たり前に「分かっていること」を「他人に分かりやすく説明すること」が如何に難しいかを思い知りました。今回は競技大会ということで「検索結果が全て」なわけですが、通常の調査業務では、調査に取りかかるまでのクライアントとのコミュニケーションがとても大事ですから(調査後のコミュニケーションは言うまでも無し)、「フツーのことすぎて書けない」なんて論外です。

その他に検索競技大会の感想と言えば、会場が蒸し暑かったことでしょうか。冷房が効きすぎるかと思って用意したカーディガンは荷物にしかならず、どちらかというと「脱ぎたい」かんじでした。いやぁ、暑かった…
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by hemp-vermilion | 2010-12-20 20:47 | 特許サーチ

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