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教科書的な基礎、と、応用

昨年末から今年度末にかけての4ヶ月間というもの、この4ヶ月間で通常の半年分以上の仕事をしたのではないかと思われる多忙さでしたが、やっと全てのお仕事を期日どおりに完了させることができました。まったく、どうなることかと思いましたが、寝込むほどの風邪も引かずに会社を休まず乗り切ることができたのは、ひとえに家族のおかげです。(私に風邪をうつしたのも家族だけれどね!)この忙しさがちょくちょく訪れるようになったら、「ひとえに同僚のおかげです」といえるような仲間が欲しいと思う今日この頃であります。

さて。
怒涛のように仕事をしていると、つまりインプットが多いときには何かをアウトプットしたくもなるもので、いくつかここで書きたいと思うネタがあったりはするのですが、何から順番にどのように書こうかと悩んだ結果、標題のようになりました。

キッカケは何かといいますと、実は昨年秋に参加していた検索競技大会の成績表が忘れた頃(今年の2月頃?)に届いたことでした。成績については悪くはなかった(=優勝などはできなかったけれど平均より上)、ということ以外忘れてしまいましたが(片付ける余裕も無い部屋のどこかに成績表が紛れ込んでしまったためにどんな成績だったか見直せない…orz)、同封されていた模範解答を見て
「なるほど、これは教科書どおりにできている人が好成績になるようにできてるのね」
と思ったことは覚えているのです。

「教科書どおり」の調査とはどんな調査か?
(以下、先行技術調査を例にとって書きます。)

まず最初に、発明の内容(調査対象クレーム)をその発明の特徴となる構成要素ごとにわけます。どういうことかというと、例えば新規性を調査したい発明が、
複数枚のシート状スポンジケーキと、
前記スポンジケーキに塗布されるホイップされたクリームと、
一口大にカットされたフルーツとからなる洋菓子であって、
前記複数枚のスポンジケーキと前記クリームとは、最上層がホイップされたクリームにな るよう交互に層状に積み重ねられ、
前記フルーツは前記最上層のクリームの上に載置されることを特徴とする洋菓子。

という発明であるとすると、発明特定事項を
A) 複数枚のシート状スポンジケーキ
B) シート状スポンジケーキと交互に積層されるホイップクリーム
C) 最上部に載せられるカットフルーツ

のような具合に構成要素をリスト化するということで、これはいわば特許性調査(出願前公知例調査や無効化資料調査等)では「基本中の基本」です。

INPIT(工業所有権情報・研修館)の検索エキスパート研修のテキスト(特許分類の概要とそれらを用いた先行技術文献調査)にもそう書かれておりますし 、包袋の中に時々入っている「検索報告書(登録調査機関に外注された審査の際に必要な先行技術調査等の報告書)」を見ても、調査がこの基本に忠実に沿って行われていることが分かります。

調査では、検索式より何よりまず、この構成要素の切り出しが適切にできているかどうかが非常に重要で、ここで発明の理解を間違うと、どんなにテクニックを弄した検索式を立てようが、どんなに広い範囲を精読しようが、調査の全てが台無しになります。

この構成要素の切り出しについてもいろいろと考えるところはありますが、とりあえず次に進みます。

構成要素を切り出してリストにしたら、各要素ごとの概念を表わす検索式をつくります。これを「翻訳する」と表現する場合があります。その概念を表わす特許分類なりキーワードなりをみつけて、置き換えていくからです。教科書どおりには、適切なFタームがあれば、まずFタームを用いた式をつくります。なぜにFタームなのかと言えば、Fタームというものはそもそも審査官が行う先行技術調査に用いるために作られた検索ツールだからです(つまり一番適したツールだということになっている)。

上述の例の場合は、えーと、そうですね、「4B014(菓子)」というテーマが良さそうです。
A) 4B014GB12 種類>洋菓子>スポンジ生地使用
B) 4B014GE02 形状・構造・容器>形状・構造>多層
C) 4B014GG09 原料>野菜・果物

ホイップクリームの概念は「原料>乳製品」かしら?とか、デコレーション用フルーツも「原料」なのかしら?などとという疑問を解決するステップは、ここでは省略します。

さて、各要素ごとに検索式が出揃ったら、これらをAND演算します。

4B014GB12*4B014GE02*4B014GG09 = ヒット件数28件

という結果が出たら、まずこの28件をスクリーニングします(あ、モロゾフがバウムクーヘンの出願してる!)。このスクリーニング結果に基づいて、その後検索範囲を適宜広げていきます。

以上が、いわゆる教科書どおりの先行技術調査方法です。
長くなりましたが、ここまでが前段。ここからが本題です。

ですが。こんなやり方で調査業務を行っているプロフェッショナルサーチャーなんて、(登録調査機関のサーチャーさん以外では)私は今までお会いしたことがありません。それは、審査のための調査とそれ以外の調査とでは同じ先行技術調査でも細かい違いがあると いうのが理由のひとつ、そしてもうひとつは、どんなものでも技術者というものは、ある程度習熟したら基礎は踏まえつつも自身の経験その他によって少しずつ応用を編み出していく、というのが通常だからです。そして、各調査案件ごとに、どのように応用を加えていくかが検索技術の腕なのだと私は思っています。

教科書どおりには、例えば発明が構成要件列挙型でクレーム記載されていた場合は、その構成要件がそのまま切り出されます。上記の例の場合なら、
A) 複数枚のシート状スポンジケーキ
B) 前記スポンジケーキに塗布されるホイップされたクリーム
C) 一口大にカットされたフルーツ
D) スポンジとクリームとは交互に積層
E) 最上層がクリーム
F) クリームの上にフルーツ
のようなかんじでしょうか(多少、大げさかもしれません)。

そりゃ、これらの条件をAND演算して全部を満たす発明が見つかれば、そこで調査の目的は達せられます。ですが、X文献というものは通常そんなに簡単に単純に見つかるものではないということを、サーチャーなら誰もが知っています。

成績表についていた模範解答には、見事に切り出された構成要素のリストがありました。私は、そんなにたくさんの項目を切り出した記憶がありませんでした。いくらFタームが最適ツールだといったって、付与の精度はバラバラですし、件数が少なめなら構成要素の有無は目視スクリーニングの時に読めばいいし、という気持ちで、最初からそんなに細かく切り出さなかったのです。

なるほどねー。例えヒット件数は少なかろうと予想していても、もしXがその中にあったとしても調査はそこで終わりにはならない(Xひとつで満足せず、無理の無い範囲でYも探さねばならない)ということが分かっていても、とりあえずまずはクレームの記載どおりに切り出して、Fタームをあてはめて、AND演算をやるだけはやってみなくちゃいけないのね。やってみなければ、このサーチャーは基本を理解してますってことが、採点者には判りませんものね。

というわけで、敗因の分析ができたからには、来年度も挑戦してみようかな!?

あ、今回のHYPAT-iは、快適に動作しました。それと、PATOLISは、割と直前になって使えないことになり、別のデータベースに変更しました(CKS-Web)が、HYPAT-iが快適だったのでCKS-Webは使わずじまいでした。

# by hemp-vermilion | 2013-03-28 23:09 | 特許サーチ

え、今頃!?な特許・情報フェア&コンファレンス2012の感想

あれからすでに4ヶ月が経った今、本当に印象的だった部分以外はだいぶ記憶から抜け落ちたところもありますが、思い出せる限りで書いてみたいと思います。今頃になっては、ただの感想だけ書いてもあまり意味がないようにも思えますので、しみじみ感じた1件についてのみ、書くことにします。

予想もしていなかったショックが、フェアの開催日前にやってきました。
「パトリスが出展見合わせ…だと…?」
昨年9月の全面リニューアル以降、色々とトラブル続きだったので、確認したいことがたくさんあったのに。見合わせの理由は「諸般の事情により」とのことで、詳細な理由は分かりませんでしたが、とにかくパトリス社が混乱しているのだけはよく分かりました。

正直なところ、満を持して送り出したはずのPATOLIS-Nextの、リリース直後のトラブル続きが、民事再生手続開始後もパトリスを見捨てず再生に望みを掛けてきた一部の人たちまでを遠ざけてしまったという感じが、すごくあります。私自身もそうですし、私の周囲にもそういう方が何人もいらっしゃいます。

ということがあって、フェア当日。

営業に熱意を感じたのは、JPDSこと日本パテントデータサービスでした。

もともと、10年前はPATOLISが一人勝ちしていた特許データベースのシェアを、あちこちのデータベースベンダーが切り崩してきたわけですが、JPDSはここでPATOLISから流出してきたユーザをさらに獲得すべく熱心に説明しているように見えました(単なる印象です)。

例えば、今はGUIが主流でコマンド方式は廃れつつありますが、JPDSは「コマンドが使えるのでコマンドUIに慣れてらっしゃるユーザ様におすすめ!」と言っていたりですとか。一方では「JP-NETかんたん特許検索」も用意して、シンプルここに極まれりというエンドユーザ向けサービスも用意したりですとか。幅広いユーザ向けにサービスを用意しているようにお見受けしました。

私のごくごく個人的な感想を言わせてもらえば、特許分類検索で階層検索をしてくれない点や、「*(アスタリスク)」がAND演算を表す記号でなくてとランケーション記号だというのが、違和感たっぷりで、ちょっと二の足を踏んでしまうところです。もっとも、トランケーション記号については、PATOLIS-Nextのフリーキーワード検索もアスタリスクを用いるようですから、おあいこですね。それに、そういうものは、ヘビーユーザであればあるほど、わりと簡単に慣れてしまうものだったりもします。

とまあ、上述のようなことから、私にはJPDSの、PATOLISに取って代わって特許データベースの代表格になろうというような、そんな熱意を感じました(あくまでも印象です)。

フェア&コンファレンスの感想が、それだけ…?CPCについては?何も思わないの?と思わせてしまったらゴメンナサイ。でも、正直なところ、各国特許庁(5極特許庁)のナニやらについては「ふーんそうなのね」で終わり(韓国の審査官は在宅勤務が出来るというのが一番印象的だったかも、オンラインでは24時間365日出願が可能であるという話も)、CPCのアレコレについては、実際に自分自身で調査してみないことには何とも言えない、に尽きます。分類付与の正確さなんていっても、サーチャーにしてみれば、付与ミスはあるものとして検索するのが前提だし、各調査前に必ず予備検索を行うのは分類の付与傾向を確認するためでもあるし、説明だけ受けたからといってすぐに感想など出てくるものではないのです。

…という、引きずったにしては体したことのない感想文になってしまいました…

今日も今日とて、持ち帰り仕事に励みますので、これにて。

# by hemp-vermilion | 2013-03-11 22:45 | 知財いろいろ

多忙な日々

忙しいったら忙しい。

「忙しい」は「心」を「亡くす」とか「忙しいっていうから忙しくなる」とか、いろいろ言われますが、忙しいものは忙しいのです。
「年度末ですから」とも言われますが、昨年末あたりからずぅーーーーーっと続いているこの忙しさ、特にここ1ヶ月は外内、つまり外国のお客様からの調査依頼が9割で、あれ、何だか年度末とか関係無くない?

忙しいときというものは、次から次へとインプットがやってきて、それをキューしたりスタックしたり上手いこと処理して次から次へとアウトプットを出し続けるので、blogのネタにも事欠かないというものですが、残念なことに時間だけが足りません。

毎日仕事を持ち帰って睡眠時間は2~3時間、週末も仕事持ち帰り、息子が熱を出しても仕事(看病は夫まかせ)、インフルエンザで休んでも家で仕事(日中は仕事にならないから結局夜中になる)、そんな毎日がもう今日で何日…?完徹なんて大学院のとき以来です。3年前だってつらかったのに、今はもっとつらいです。

新しく立ち上げた調査部門、実務者は私ひとりですから、バッファがないのです。依頼が立て込めばすぐにオーバーフローしてしまいます。新しく立ち上げた調査部門ゆえに、せっかくのご依頼をお断りするなんて以ての外。実務者は私ひとりですから、私が休むなんて以ての外。かくして、しわ寄せが家族に、特に夫に行くことになるのです。

私の最大の理解者であるダンナ様は、事情を全てわかって、家事を引き受け、子供が熱を出せば自分が早退して保育園に迎えに行き、自分が率先して看護休暇を取り、私が最大限、仕事上で周囲に迷惑を掛けることの無いようサポートしてくれます。こんなダンナ様がいてくれるから、ダンナ様がこういう人だから、私はこの忙しい日々を乗り切っていけるのです。

とはいえ、子供の病気でほとんどまともに出社できない日が3日も4日も続けば、ダンナ様にしても色々と思うこともあるでしょう。その3日4日の週が2回も3回も続けば、ダンナ様の心身の疲労はいかばかりかと思われます。

子供たちの面倒を見、食事を作り、皿を洗い、洗濯をし、ゴミを出し、ネコのトイレ掃除をし、私が朝起きられないときは黙って子供たちを2人ともそれぞれの保育園に連れて行き、私が残業するときは2カ所の保育園にお迎えに行き、私が疲れて帰宅すればお茶を淹れ、週末には布団を干してくれるダンナ様。子供を病院につれていき、小学校の入学説明会に行き、保育園の懇親会に出席してくれるダンナ様。ダンナ様は神様です。

そこで、ふと、思いました。

世の中の共働き家庭では、我が家と逆で、妻側に家事・育児の負担が偏りがちであること。共働きより少ないとはいえ、専業主婦家庭もまだまだ多いこと。「仕事で疲れてるんだ」と家でも家族とコミュニケーション取ろうとしない夫たちがいること。特に妻が専業主婦なら、家事育児は妻がやって当然だと思っている夫たちがいること。家庭を顧みない夫に妻が意見しようとすると「自分はこんなにも働いて家族を養っているのに」と考える夫がいること、、、

それは違う。違うんだよ。家庭に迷惑を掛けているから、仕事上で迷惑を掛けずにすんでいるの。家庭に対する義務を果たしていないから、仕事上の義務を果たすことができているの。専業主婦(夫)家庭でも、共働き家庭でも、同じこと。

仕事はしなけりゃ食べていけないし、繁忙期というものはあるものだし、稼ぎ時に稼がないなんて考えられないけれど、
「ごめんごめん、全部やらせちゃって本当にごめんね」
「この忙しさが一息ついたら、家族でお出かけしようね」
「何もかも押しつけて仕事ばかりしちゃって、ホント申し訳ない」
負担が偏るときは、これくらい恐縮して仕事させて頂くのが本来の姿勢なのじゃなかろうか?

「仕事が忙しい」は家事育児をしないことを正当化するために振りかざす免除証書なんかじゃない。事情説明書であり、上申書であって、顔色を見ながら「そんなわけでごめんなさい」とオズオズ差し出すべきものなのです(そこまで卑屈にならなくてもいいか)。

と、久しぶりに仕事をしない夜に思ったことを書いてみました。

お約束の特許情報フェアの感想は、あ、あれ、もうあれから4ヶ月…!?

# by hemp-vermilion | 2013-03-02 00:28 | ワークライフバランス

おへそのはなし

前回の記事で
「フェア&コンファレンスの感想は、また近いうちに書きたいと思います。」
なんて言っておきながら、またしても1ヶ月放置してしまいました。

6歳と9ヶ月の子供達がかわるがわるにそれぞれの保育園から病気を拾ってくるし、そうなればどんなに気をつけていても親はうつされずにはすまないし、しかもお仕事は超多忙、もうヘトヘトです。

いや、いちばんヘトヘトなのは我がダンナ様で、ここ3週間くらい、まともに出勤できていません。。。週のうち1日か2日しか出社せず、病気の子供達を看てくれています。感謝、感謝です。健康な乳児の面倒を1日中みるのでさえ相当に大変なことなのに、病気の乳児の世話をして、通院して、家事もして、上の子の保育園の送迎、食事、入浴…しかも私の帰宅は夜遅く。何の手伝いもできません。まったく頭が下がります。

何故かほどまでアンバランスに休むのかというと、まず私は入社半年未満なので有休というものがなく、休むと「欠勤」扱いとなって給与がその分減るので、できれば有休が繰り越し分も含めてたっぷりとあり、いわゆる「年休」の他に「ファミリーフレンドリー休暇」まであるダンナ様に休んでもらった方が家計に有利だということが一点。そして、休むなんて考えられないほど私の仕事が忙しい、というのがもう一点。

さすがに娘は休んでも2日・3日と長引くことはないのですが、息子は乳児だけに完全回復までかなり手間取っているかんじです。が、昨日今日でだいぶ回復してきたので、来週からは元気に保育園に行ってくれそうです。そして、どうかお迎えの連絡が来ませんように…!

さて。1ヶ月ぶりの記事は、お約束した「フェア&コンファレンスの感想」についてではなく、「おへそ」についての話です。

先日、tak-shonaiさんのblog「へその生態系は熱帯雨林並みなんだそうだよ」という記事を読みました。ちょっと長くなりますが、孫引用の部分も含めて、関連部分を引用します:

ナショナルジオグラフィック ニュース によると、ノースカロライナ州立大学・生物学部の Rob Dunn 氏らの生態学者チーム研究の結果、人間のへそは意外なほどの生物多様性に満ちていて、それは熱帯雨林によく似ているとわかったのだそうだ (参照)。なんと我々は、体表面に熱帯雨林的生態系を持っているのである。ちょっと引用してみよう。

調査の結果、60人のへそから 2368種の細菌が見つかり、そのうち 1458種は新発見の可能性があるという。

細菌は少ない人では 29種、多い人では 107種もいたが、平均では約 67種が見つかった。92%の細菌種は、サンプル提供者全体の 10%足らずにしか存在しなかった。これはすなわち、ほとんどの細菌種が 60人中 1人からしか見つからなかったことを意味する。

例えば、あるサイエンスライターからは、これまで日本の土壌でしか発見例のない細菌と思しき種が見つかったが、この人物は日本への渡航歴はなかった。そのほか、数年間へそを洗っていないというかぐわしい人物からは、いわゆる極限環境微生物 2種が見つかった。通常は氷冠や熱水噴出孔などの過酷な環境に生息するものだ。

このように多様性に富んだ細菌が見つかったが、調査結果からは特定の傾向も浮かび上がった。すべての被験者に共通して見つかった菌が 1つもない一方で、8種の菌はサンプル提供者の 70%以上に見つかったのだ。そして見つかった場合、それらは決まって大量に存在した。


この 「特定の傾向」 というのが、熱帯雨林の特徴とそっくりなんだそうだ。それにしても、人間のへそというのがそれほどまでに生態系的に個性的なものであるとは、ちっとも知らなかった。

日本への渡航歴のない人のへそに、どんなようにして 「日本の土壌でしか発見例のない最近と思しき種」 が紛れ込んだのか、これは謎というよりロマンというべきだろう。また、「通常は氷冠や熱水噴出孔などの過酷な環境に生息する」 細菌をへそに飼っていた人というのは、いったいどんな変わった人なんだろうと、興味は尽きない。

私にしても、普段風呂に入るたびにへそを念入りに洗うなんていう習慣はない。ということは、私のへそにも、かなり変わった細菌が住み着いているかもしれないではないか。調べてもらいたいぐらいのものである。


おもしろい!おへそのなかにそんな世界が存在していたとは、おもしろい!!熱帯雨林の特徴とそっくりというのもおもしろいけれど、新種の可能性だの、極限環境微生物だの、「どうして?なんで?」という好奇心がもう止まりません。

おへそというものは、確かに、「普段風呂に入るたびに念入りに洗う」ものではないでしょうし、私にしてもお風呂で念入りに洗うというよりは風呂上がりに時折綿棒で掃除するという習慣ですし、中には「数年間へそを洗っていないというかぐわしい人物」もいるかもしれませんし、人知れず奥底で小宇宙が形成されていてもおかしくありません。

ですが、私に関して言えば、実はおへその中はこれまで2度ほど、サッパリとカラになったことがあります。2回の妊娠でお腹が大きくなったとき、臨月近くなると、お腹の皮膚は引っ張られ、おへその中のシワシワも伸ばされて、却ってデベソのようになりました。この状態でお風呂上がりに綿棒を使うと、おへその中は空っぽになります。まだ産後9ヶ月の私のおへそ、隅々までキレイにしてから1年も経っていない私のおへそには、どんな菌が住んでいて、どんな生態系が存在しているのか…???

この研究結果が掲載されたという11月7日付の「PLOS ONE」誌までは私はあたっていないのだけれど、このサンプルを提供した人々の中に経産婦はいたのか?いたとして出産の前後でそれぞれのサンプルを提供したのか?いや現時点ではそこまでの比較検討は行われていないかもしれない、だとしたら私が是非その疑問をぶつけたい、そしてサンプルを提供したい!!!

このワクワク感を誰かに伝えたい思いを抑えきれず、やっと時間を見つけて書いた記事がこの記事になりました。特許・情報フェア&コンファレンスの感想は、ね、年内には…

# by hemp-vermilion | 2012-12-09 00:23 | 好奇心

ちょっぴりだけ

今日は、特許情報フェア&コンファレンスに終日参加した後、パテントサロン主催の知財系オフ会に参加して来ました。

特許情報フェアは3日間の開催で、毎日異なるコンファレンスと企業プレゼンが行われます。本当のところは毎日ちょっとずつ行きたかったりするのですが、さすがに職場の都合がそれを許さず、では1日だけ参加するならどのコンファレンスの日を選ぶか、イチバン聴きたい企業プレゼンは何か、プログラムとにらめっこしながら悩むのです。本当は初日に行きたかったのですが、たまたまその前日もSTNセミナーのための終日外出となってしまったため、「2日連続で終日不在なのも、どうかしらね~」というわけで、第2希望の最終日ということになりました。

しかしそれでも、コンファレンスと企業プレゼンとをしっかり聴くと各ブースでゆっくりとお話を聞く時間的余裕がなくなってしまうので、今回は「どうぞ~」と資料を差し出すステキなお姉様を振り切って自分の興味のあるブースにのみ立ち寄ってきました。

おかげで、最低限の収穫は得ることができました。

ちなみに私がこのフェアで情報を得たかった「興味ある」ものとは、
・Japioこと日本特許情報機構の世界特許情報検索サービス
・JPDSこと日本パテントデータサービスの「JP-NETかんたん特許検索」
・JPDSのプレゼン「キリンホールディングス株式会社における特許情報調査とその活用」
・Landon-IPのCPCに関するプレゼン資料
・最終日のコンファレンスの各国特許情報に関する各セッション
です。

これだけとはいえ、資料はズシリと肩に重かった…!「重いから帰り際にもらおう」と思っていた分厚いJapio Year Bookをもらいそびれてしまったのに、です。しかもコンファレンス以外のブース巡りは歩きっぱなし、立ちっぱなし。重い足をせっせと動かして知財系オフ会の会場に到着し、ここでもまた立ちっぱなし。椅子は多数用意されていたんですが、たくさんの方々と楽しく歓談していたら…壁際の椅子になど…!

それにしても、お会いした何人かの方から「blogはもうお休みなんですか?」と言われてしまいました、反省。ハイハイし出してあちこち移動しては手当たり次第にイタズラする息子8ヶ月と来年4月に小学校入学を控えた娘6歳とのドタバタな日々を言い訳にしてきたわけですが、でも、セミナーに行ったりフェアに行ったりオフ会に行ったりすると、ほんとうに色々な刺激を受けて、このように更新する意欲もわいてくるというものです。

とはいえ、明日は娘の7つのお祝いのため容赦なく早起きしなければならず、今日の更新はちょっぴりだけ、ここまで。フェア&コンファレンスの感想は、また近いうちに書きたいと思います。

(近いうちに、と言ったからには、やはり「年内」なのか?いや、忘れないようにもっと早く書きます!)

# by hemp-vermilion | 2012-11-10 00:27 | 知財いろいろ